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        <title>若手研究者インターナショナル･トレーニング･プログラム (ITP-EUROPA)</title>
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        <description></description>
        <language>ja</language>
        <copyright>Copyright 2012</copyright>
        <lastBuildDate>Tue, 10 Jan 2012 15:18:34 +0900</lastBuildDate>
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            <title>2011年11月　月次レポート（佐藤　貴之　ロシア）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">活動報告書（11月）</p>
<p align="right"><br />佐藤貴之<br />派遣先：ロシア国立人文大学</p>
<p>　今月上旬から派遣先大学の外国語センターではロシア語非母語話者の大学院生用（受講者は執筆者を含めわずか四名）にセミナーが開催されることとなった。このセミナーでは、論文を執筆するためのロシア語、学会等の場で研究報告するためのロシア語を学ぶことができる。セミナーに参加しているのは、ロシア語非母語話者とはいえ、学部時代からロシアで暮らしている院生が多く、レベルの高い授業が展開されている。このセミナーの最終目的は、来年の5月に派遣先大学で開催される研究会で報告する論文執筆の準備にある。また、ロシアの人文系大学院では博士論文を提出するためには大学側が課す外国語、専門領域、哲学の試験をパスする必要があるが、哲学の試験対策が来月から開催される。哲学の知識が博士論文審査の必須条件にあるというのは、日本の大学院からすると異様な感覚を覚えるが、哲学を人文学研究の基礎に置くというのは一つ驚きである。<br />　また、上智大学付属ヨーロッパ研究所に投稿した論文「ピリニャーク創作における日本の表象―西と東の狭間で―」（ロシア語、査読付き）が審査を通過し、今年度刊行される論集「上智ヨーロッパ研究」に掲載されることが決定した。現在は査読結果と指摘を踏まえ、最終稿の完成に取り組んでいる。<br />　上記の作業と並行する形で、来年の2月にエストニアのターリン大学付属スラヴ言語文化研究所で開催される「若手人文学者国際会議」Международная Конференция Молодых Филологовで報告予定の論文に取り掛かっている。創設以来、今年度で13回を数えるこの国際会議は、言語学研究と文学研究の2部門からなっており、毎年40人近くの若手研究者がバルト三国をはじめ、ロシアの各地域から集っている。ターリン大学は、この会議における報告をもとに論集「スラヴ研究」Studia Slavicaをほぼ毎年刊行している。参加申し込み締め切りは12月中旬、開催は来年の2月16日から18日。詳細は以下のリンクから。<a href="http://mkmftallinn.blogspot.com/">http://mkmftallinn.blogspot.com/</a><br />　今回、報告する論文の内容としては、執筆者が取り扱っているボリス・ピリニャークと同時代を生きた作家アンドレイ・プラトーノフの共作関係を取り上げる予定である。年輩のピリニャークとプラトーノフは1920年代末、一種の師弟関係にあり、共作でいくつかの作品を執筆していた。プラトーノフは日本でも研究、翻訳作業が進んでいるとはいえ、ピリニャーク研究の立ち遅れがあるせいか、ピリニャークとの関連で論じている研究は見られない。ロシア本国となると、両作家の一次資料が刊行されるにつれて俯瞰的比較研究が次第に試みられるようになっている。今回の報告では、作家間の境界にある作品の分析を通し、「個人」としての作家から「我ら」としての作家へ移行していく過程を記述し、1920年代末に社会主義リアリズムへと次第に移行していった文壇の思潮に連結させて論じたい。<br />　来月の報告でも詳述する予定だが、年明けからは別件の国際会議申し込みが予定されており、読み込む資料が山積しており、寝不足の日々が続いている。いずれにせよ、学会は冬から春にかけて開催されることが多く、夏を迎えるとぱたりとやんでしまうようだ。したがって、冬に学会報告論文を執筆し、春以降はそれらをいかに博士論文に組み込んでいくかといった作業を行うことになるのではないかと予想している。</p>
<p align="right">以上<br /></p>]]></description>
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            <pubDate>Tue, 10 Jan 2012 15:18:34 +0900</pubDate>
        </item>
        
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            <title>2011年11月　月次レポート（水沼修　ポルトガル）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA月次レポート（11月）</p>
<p align="right">水沼　修</p>
<p align="left">　今月は、先月から行っているデータ収集の作業が中心になりました。<br />　電子化されている中世ポルトガル語のコーパスで代表的なものとしては、リスボン新大学（Universidade Nova de Lisboa）によって作成されている「中世ポルトガル語電子化コーパス（Corpus Informatizado do Português Medieval: <a href="http://cipm.fcsh.unl.pt/">http://cipm.fcsh.unl.pt/</a>）」が挙げられます。このコーパスには、主に13世紀から15世紀の文学テキスト及び非文学テキスト（一部12世紀及び16世紀のテキストを含む）が数十点収められています。コーパスの形態としては，校訂本がそのまま電子化されており、POSタグ等は付されていません。<br />　また、ブラジルのカンピナス大学（Universidade Estatal de Campinas）によって作成されている「Tycho Braheコーパス（Corpus Histórico do Português Tycho Brahe: <a href="http://www.tycho.iel.unicamp.br/~tycho/corpus/index.html">http://www.tycho.iel.unicamp.br<br />/~tycho/corpus/index.html</a>）」には，1380年から1845年の期間に生誕した作家による作品が53点収集されています。これらのうち、32点については、品詞・形態の情報が付されたバージョンも提供されています。<br />　このほかにも，コインブラ大学（Centro de Estudos de Linguística Geral e Aplicada da Universidade de Coimbra）によって作成されている「CEC - PPCコーパス（Corpus Electrónico do CELGA - Português do Período Clássico: <a href="http://www.uc.pt/uid/celga/recursosonline/cecppc">http://www.uc.pt/uid/celga/recursosonline/cecppc</a><br />）」があります。こちらには、16世紀から17世紀にかけての文学作品（主にFrancisco Manuel de Meloの作品）が数点収められています。<br />　また、リスボン大学言語学センター（Centro de Linguística da Universidade de Lisboa）の「CARDSコーパス（CARDS - Cartas Desconhecidas, Unknown Letters: <a href="http://alfclul.clul.ul.pt/cards-fly/index.php?page=mainpt">http://alfclul.clul.ul.pt/cards-fly<br />/index.php?page=mainpt</a>）」は、16世紀から19世紀の期間に記された私用の書簡約2000点を電子化したものです。言語学的なタグ付けはなされておりませんが、全ての書簡に、差出人、受取人、日付、場所、内容の要約等の情報が付されています。なお、20世紀の書簡についても、現在電子化作業が行われているところです（FLY - Forgotten Letters　Years 1900-1974）。<br />　現在は、これらのコーパスを利用して、用例の収集にあたっているところです。主な分析対象としては，「haver / ter + 過去分詞」の構文になりますが，博士論文では，これらの動詞（haver / ter）の助動詞としての発展に加え、本動詞としての機能についての考察も行いたいと考えているため、今のところ、haver及びterの全ての生起例を手作業で抽出しています。これらコーパスの用例収集を終えた段階で、指導教員の指導を仰ぎつつ、実際に具体的な用例を見ながら、分析方法の再検討を行うことになっています。その上で、調査対象となる、電子化コーパス以外の資料の選択についても話し合いを行う予定です。<br />　また、今月は、大学院のセミナー「コーパス言語学」を担当されている先生から、グルベンキアン財団から来年出版される予定の『ポルトガル語文法（Gramática do Português）』の原稿を拝見する機会をいただきました。同書は、リスボン大学言語学センターによる全3巻からなる文法書で、同大学内外の多数の言語学者が執筆者として参加しています。構成は、Bosque, I.,Demonte, V. (dir)の『スペイン語記述文法（Gramática Descriptiva de la Lengua Española）』と似ており、 統語論、形態論、音韻論、意味論、表記法等に関する様々なテーマが取り上げられています。 Mateus et al. の『ポルトガル語文法（Gramática da Língua Portuguesa）』と比較しても、扱われているテーマも豊富で、総ページ数も3000を超える予定だそうです。まだ出版前ということで、センター内のみでの閲覧になりましたが、同センターに何度か足を運び、文法化や意味論等、研究テーマに関連する記述を参照することができました。<br />　今後も、大学院のセミナーへの参加と、先行研究のフォロー及びデータ収集・分析の作業を中心に行っていく予定ですが、日本語投稿論文の執筆準備も同時に進めていきたいと思います。<br /></p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201111_2.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Tue, 10 Jan 2012 15:12:21 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年11月　月次レポート（太田悠介　フランス）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA月次報告書（11月）</p>
<p align="right">太田　悠介</p>
<p>　今月も先月と同様にパリ14区の国立図書館に足を運びながら研究を進めました。館内は静謐な空間で作業に集中することができています。11月は大学の新年度の日程が本格化し始める時期でもあるため、研究に関連するいくつかの催しに参加しました。<br />　10日はフランクフルト学派の哲学者ユルゲン・ハーバーマスがパリ第5大学の招聘に応じて講演を行うということで、これに参加しました。講演は最近のヨーロッパの経済危機を念頭に置きながら、ハーバーマスにとってのヨーロッパの構想をいま一度明らかにするという主旨のものでした。事前に新聞の紙面（10月26日付『ル・モンド』）で読むことができた発表原稿の一部にあらかじめ目を通し、手元にあったハーバーマスの小著『近代――未完のプロジェクト』（三島憲一編訳、岩波書店、2000年）などもこの機会にあらためて読み直しました。<br />　今回の講演に限らず近年のハーバーマスの発言を通じて明らかになるのは、戦後ドイツと戦後フランスで共通した問題群が浮上してきていることです。ヨーロッパ統合以外にも、第二次大戦期を中心とする過去の歴史の再審、移民労働者の排斥運動など、それぞれの固有の時代背景はありながらもいくつもの類似したモチーフが存在しており、そのことが戦後ドイツと戦後フランスの相同性に気づかせてくれます。私が研究の中心に置いているバリバールもまたハーバーマスと同様にフランスにおけるこれらの問題群に深く関与しているだけに、こうした問題群の認識の大枠として両者の類似性を念頭に置いておきたいと考えています。<br />　28日はエッフェル塔のすぐ脇に立つシャイヨー宮の劇場で開催された、フランツ・ファノンの死後50周年の記念集会「現代のフランツ・ファノン」に参加しました。登壇者の中で特に印象に残ったのは、2008年に『黒人の条件――フランスのマイノリティについての試論』（Pap Ndiaye, La Condition noir. Essai sur une minorité française, Calmann-Lévy, 2008）を上梓したパップ・ンディアイと、サルトル研究者であると同時にフランス語圏文学の造詣も深いフランソワ・ヌーデルマンの両氏でした。両氏の報告の内容は細部では相違があるものの、いずれの報告もコロックの主題である現代という時代状況においてファノンを読みなおすという問題意識を強く打ち出した発表でした。<br />　その際に「現代」という言葉で両者が意図していたのは、明らかに「ポストコロニアル」という時代状況であったと思われます。すなわち、フランスがかつてのように直接統治する海外領土をもはや保有していないという意味でのポストコロニアル状況を踏まえながら、いかにしてファノンを読み替えることが可能なのかという問いを両者が共有していたということです。ファノンのテクストにはポストコロニアリズム状況を先取りしたような叙述が見出せるのは事実ですが、彼のプライオリティは何よりもまずコロニアリズムに向けられていたことは確かです。したがってンディアイとヌーデルマン両氏のテクストの読解は、それが著者の主張の核心から距離をとる限りで、厳密に言うならば著者の意向に逆らう読解方法であるのかもしれません。しかし、いずれの発表からもそうしたテクストの読解の恣意性が感じられることはなく、むしろファノンのテクストをあらたな視座のもとに置き直し、そのさらなる可能性を引き出す発表という感想を持ちました。<br />　著者の意図によって規定されるテクスト解釈の幅の限界を踏まえたうえで、同時にそこに自分の問題関心と呼応する論点を見つけ、それをその同じテクストにそっていかに説得的に読み込んでいくのか。両氏の報告のいずれもがこの点ではきわめて示唆に富むように思われます。現在執筆している投稿論文ではテクストの細部の解釈に入り込み過ぎている箇所が散見されていただけに、今回のコロックは読解の主軸となる全体的な方向性をより明確に打ち出すことの重要性を再認識する機会となりました。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><br />&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201111_1.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Tue, 10 Jan 2012 15:09:45 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年11月　月次レポート（横田さやか　イタリア）</title>
            <description><![CDATA[<p>月次レポート　2011年11月　<br />博士後期課程　横田さやか　<br />派遣先：イタリア、ボローニャ大学</p>
<p>　今月も大学院の講義に出席しつつ論文執筆作業に専念した。平行していくつかのシンポジウムに参加する機会にも恵まれ、さまざまな角度から刺激を受けながら慌ただしくも充実したひと月を終えた。<br />　まず、ボローニャ大学映画・音楽・演劇専攻運営、文化プロジェクト(CIMES)企画による、「能、現代の伝統」(Teatro nō, una tradizione contemporanea)を標題に掲げたシンポジウムが同大学にて開催された。イタリア国内からは日本の文学、伝統芸能などの研究者が顔を揃え、日本からは能楽師である静岡芸術文化大学梅若猶彦教授が招かれ、イタリアの学生を対象にして能の演技指導のワークショップとその発表会としての公演が行われた。梅若猶彦演出・台本によるその演目The Italian Restaurantは、伝統的な能を新しい演出で演じる、いわば現代版の能パフォーマンスである。イタリアの学生が演じるイタリア語による能舞台は非常に斬新で、難解な、あるいはむしろシンプルなキーワードが無数に提示されていた。舞台を鑑賞しながら、伝統と革新、現実世界と仮想世界、現実と記憶、表現性とテクニック、役者と登場人物、役者と観客、舞台と客席、あるいは、わたしと他者、等々のキーワードで溢れる劇場空間のいったいなにを糸口にして自分(観客)と他者(舞台)を融合させることが出来るのかと、思いがけずたじろいでしまうような感覚をおぼえた。日本の伝統芸能現代化の過程はその前衛芸術運動と合わせて報告者にとっても興味深いテーマであり、更に知識を深め今後もさまざまな演目を鑑賞していきたい。<br />　また、ボローニャ大学を退官されたカジーニ・ローパ教授が代表を務められる、全国ダンス・教育・社会協会(DES)主催のシンポジウムにも参加した。この協会は、舞踊研究者、また指導者らによって組織されており、参加者の専門分野もまた、文化政策、教育、あるいは舞踊療法関係等多岐に渡っていた。なににつけても経済危機だからと嘆かれるこんにち、舞踊にまつわる社会、経済問題などを共有し、情報交換をしながら現状をより良いものに向上していこうとする共通意識がこうして現実的にイタリアの舞踊界の土壌を支えている現状は非常に喜ばしいことである。<br />　さいごに、パヴィア大学音楽学学部にて開催された、18世紀の劇場舞踊をテーマにしたシンポジウムに参加するため、音楽の街クレモナを訪れた。このシンポジウムでは、報告者の指導教員であるチェルヴェッラーティ教授らイタリア国内の舞踊研究者、音楽学研究者、またドイツから招かれた研究者がそれぞれ研究発表を行い、この時代を研究対象とする音楽学研究者と舞踊研究者間の情報交換を促進することも目的とされていた。例えば、音楽学の研究者が当時の自筆譜を調査する過程で、そこに書き込まれた舞踊パートについての覚え書きを取り上げて考察することは少なく、一方で、当時の舞踊を研究するにあたって舞踊研究者が音楽の自筆譜を一次資料として調査し舞踊に関するわずかなメモ書きを見つけることは当然のことながら非常に難しい。そういったこれまでおざなりにされてきた空白を埋め、音楽と舞踊の領域を越境して研究成果を互いに流通させることが必要とされている。報告者の研究テーマには直接関わらない時代であるが、20世紀初頭に未来派が誕生した土壌という過去を理解することなしに、その意義を読み解くことはできない。この点において、「イタリア共和国」という国家がまだ存在しない時代の劇場芸術における音楽家、演出家、振付家の汎ヨーロッパ的往来を改めて地理的に俯瞰する機会となり、また、ご縁があるとは想像だにしなかった、研究書の著者と面識を得ることも叶い、収穫の多いシンポジウムであった。</p>
<p><br />&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201111_cimesteatro_no_una_trad.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Tue, 10 Jan 2012 15:07:27 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年11月　月次レポート（小久保真理江　イタリア）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">11月ITP報告書</p>
<p align="right">小久保真理江</p>
<p>　今月も先月に引き続き博士論文の第一章第二節の執筆に取り組みました。この節ではパヴェーゼとアメリカ文化の関係についての先行研究の展開（主な傾向や重要な論点）を分析的にまとめた上で、自らの視点や研究の目的を複数の点に渡って明示しました。このテーマについては1940年代から現在まで多くの重要な先行研究が存在します。執筆に際しては、これまで個別に読んでいた文献を年代順にまとめて再読することにより、批評の流れや時代背景との関連を理解するとともに、自らの博士論文に独自性と説得力を持たせるための方法もより明確に認識することができました。この原稿については現在ネイティブチェックを依頼中であり、修整が終わり次第こちらの指導教員にも提出して意見をいただく予定です。<br />　月初めには指導教員と面会し、先月に執筆を終了した原稿（博士論文の第一章第一節）についてコメントをいただきました。以前に批判を受けた点に十分注意しながら原稿を執筆した結果、今回は同様の大きな問題を指摘されることはなく、論文の書き方に関して進歩が認められたほか、内容の独自性についても良い評価をいただけ大変励まされました。議論を深めるための助言としては、パヴェーゼの映画への関心と人類学・民族学への関心とのつながりについて示唆をいただきました。<br />　月半ばには博士課程の学年末報告会が開かれました。今回の報告会では最終学年への進級や2012年の論文提出の可否が決定されることになっており、論文の見通しや提出・審査の必要手続きついて正確に把握する必要があったため、事前に日本・イタリア両方の指導教員や関係者と綿密な話し合いを行いました。 学年末報告会では、無事に最終学年への進級と論文提出の許可が下り、2012年6月に論文を提出することが決定されました。<br />　共同学位授与制度の歴史が浅いためボローニャ大学の先生方の間で制度に関する共通理解が十分には浸透しておらず、論文提出や口頭審査の手続きについて最初は混乱がありましたが、協定書を持参してよく話し合った結果、諸々の誤解は解け必要手続きについても事務の方に正式な確認をとることができました。また、今月１７日には東京外国語大学側の指導教員がボローニャに来て下さったことにより、こちらの指導教員や大学院の責任者と全員で博士論文の提出・審査について直接話し合うことができました。これまで関係者一人一人との個別の話し合いでは重要な点がなかなか明確にならなかったのですが、この機に日本の指導教員を含めて全員で話し合うことにより、全てが明確になり、博士論文の審査員や審査日程等の詳細まで決定されたので、非常に助かりました。また今回の経験からは、イタリアで物事を円滑に進めるためのコミュニケーション方法についても多くを学びました。<br />　最後に、今月はパゾリーニに関する研究書（L'esperienza friulana di Pasolini）の出版記念会にも出席しました。過去に同じ教授の指導のもとボローニャ大学イタリア文学科の博士課程を修了された土肥秀行さんが博士論文をもとに執筆された研究書であり、こうした先輩の姿を見ることが良い刺激になったのはもちろんのこと、イタリア語での論文執筆に関する経験談や助言にも大変励まされました。<br /></p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201111.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Tue, 10 Jan 2012 15:01:07 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年10月　月次レポート（佐藤　貴之　ロシア）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">活動報告書（2011年10月）</p>
<p align="right"><br />派遣先：ロシア国立人文大学<br />執筆者：佐藤貴之</p>
<p>　今月上旬は論文「ピリニャーク創作における日本の表象―西と東の狭間で―」（ロシア語）を脱稿した。本論文は2010年9月にペテルブルクで報告した内容だが、派遣中に得られた文献をもとに補筆・修正を加えた。現在、上智大学付属ヨーロッパ研究所で査読中。<br />　博士論文の執筆に関しては、派遣先の指導教官オレーグ・レクマーノフ教授と話し合いを進めつつ、問題設定・方向性を討議、検討中である。現在のところ執筆者が推し進めている計画では、古典概念の変容を示す一つの指標としてボリス・ピリニャークの創作を照らし出したいと考えている。<br />　十月革命前後の文壇では程度の差こそあれ、古典文学との断絶が見られる。それぞれの作家が、「新しい書き方」を模索していた時期であり、その代表的な芸術家集団がフレーブニコフ、マヤコフスキーのロシア・未来派といえるわけだが、彼らはドストエフスキー・トルストイらによって代表される古典文学との決別を主張していた。未来派とそれ以外の作家たちの影響関係をここで論ずることはできないが、いずれの芸術家たちも19世紀的な書き方で20世紀のロシアを描くことは不可能だと考えていたことは共通認識として指摘できよう。<br />　古典との断絶が強くみられる1920年代の文壇において、ピリニャークの創作と古典の関係は複雑な様子を呈している。彼はしばしば「他人の言語」（他者の作品）を自らの言語として意図的に使用する作家であった。もちろん、様式化という形で、別のスタイルをコピーする試みはそれまでにも散見された傾向である。しかし、ピリニャークの場合になると、ブーニンやレールモントフなどのプレテクストをページ単位で引用し、自らの作品の中に吸収し、プレテクストとの対話を開始する傾向が指摘できる。つまり、限りなく開かれたテクスト空間が存在しているわけだ。この開かれたテクスト空間を1920年代の文壇と絡めて論じることは博士論文の一つの大きな課題である。現在、「ピリニャーク創作における古典概念」を仮題として執筆中。<br />　最後に、ピリニャークと関連した一つの芝居を紹介したい。モスクワにある老舗のゴーゴリ記念劇場（クールスカヤ駅）ではソ連時代の作家アンドレイ・プラトーノフの戯曲『田舎の間抜けども』Дураки на периферии（1928年）が執筆から一世紀を経てようやく初演を迎えた。先日、この芝居に足を運び観劇してきたが、この作品はプラトーノフとピリニャークの共作としても知られる戯曲である。プラトーノフ研究に比べピリニャーク研究は立ち遅れており、ピリニャーク研究者の間でもこうした「周辺」の作品に関心が向けられることは稀である。したがって、芝居の上演プログラムでは「この作品にはプラトーノフのモチーフが強く、ピリニャークが手を加えた可能性は少ない」とまで記されている。しかし、ピリニャーク創作に精通している観客にはピリニャーク特有のモチーフがこの作品にもちりばめられていることに気付くだろう。この上演を通して、ピリニャーク創作の境界線を画定する必要性を認識した。共作である以上、ピリニャークの作品としてこの戯曲を位置づけることは難しく、こうした問題がピリニャーク全集の刊行を妨げていることは容易に想像がつく（現在は6巻立ての選集が刊行されているのみ）。</p>
<p align="right">以上<br /></p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201110_4.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Thu, 08 Dec 2011 10:24:42 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年10月　月次レポート（水沼修　ポルトガル）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA月次レポート（10月）</p>
<p align="right">水沼　修</p>
<p>　9月24日にリスボンに到着しました．<br />　今後一年間，ポルトガルのリスボン大学で「ポルトガル語の複合時制の歴史的発展」について調査・研究を行っていく予定です．</p>
<p>　到着後すぐに，こちらでご指導いただくエスペランサ・カルデイラ先生と面談し，研究の進め方等について相談を行いました．先生との話し合いで，データ収集を継続するとともに，既に集められているデータについての分析を始めることになりました．今月は，主にこちらの作業と，先行研究に関する資料の収集に時間を費やしました．<br />　また，同先生の指示に基づき，現在は，修士課程のゼミにも出席しています．共同学位制度を利用するにあたり，必要となる単位を取得するため，前期は．「コーパス言語学」と「統語論」のゼミに出ることになりました．後期も同様に複数のゼミに出席する予定です．<br />　なお，まだ入学手続きが継続中ですが，臨時の学生証を発行していただき，図書館等学内施設を利用することができています．</p>
<p>　今月は，26日から28日にかけて，リスボン新大学で行われたポルトガル言語学会（Associação Portuguesa de Linguística：<a href="http://www.apl.org.pt/">http://www.apl.org.pt/</a>）第27回大会が行われました．プログラムの構成上，全ての発表を聴くことはできなかったので，自分は，主に歴史言語学に関する発表を拝聴しました．自分の研究テーマと直接関係するものはありませんでしたが，方法論や調査資料等について参考になる点が多々ありました．今後も，当地で行われる大会を中心に，できるだけ多くの学会に足を運びたいと考えています．</p>
<p align="center"><img class="mt-image-none" alt="Mizunuma10-1.jpg" src="http://ofias.jp/j/itp_eu/Mizunuma10-1.jpg" width="240" height="180" />　　　　　　　　<img class="mt-image-none" alt="Mizunuma10-2.jpg" src="http://ofias.jp/j/itp_eu/Mizunuma10-2.jpg" width="240" height="180" />　</p>
<p align="left">　　　　　　　　　リスボン大学文学部図書館　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　&nbsp;&nbsp; 　国立古文書館</p>
<p>&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201110_3.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Wed, 07 Dec 2011 15:30:09 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年10月　月次レポート（太田悠介　フランス）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA月次報告書（10月）</p>
<p align="right">太田　悠介</p>
<p align="left">　10月の初頭に500頁を超えるエティエンヌ・バリバールの新著『市民主体――哲学的人類学論集』（Citoyen Sujet et autres essais d'anthropologie philosophique, PUF, 2011）が刊行され、今月はこの著作の読解に多くの時間を割くことになりました。<br />　単純に量的な観点から見ても、昨年続けて出版された『暴力と開明性――ウェレック・ライブラリー講義・政治哲学論集』（Violence et civilité : Wellek Library Lectures et autres essais de philosophie politique, Galilée, 2010）および『平由の定理』（La Proposition de l'égaliberté, PUF, 2010）〔「平由」は平等と自由を組み合わせたバリバールによる造語〕と合わせると、この二年間の期間に全体で1200頁を優に超える分量が書かれたことになります。バリバールの著作は大抵の場合、以前雑誌や口頭発表などのために準備されたテクストにあらたに手を加え、これらをまとめた論文集として出版されるという点を考慮するにしても、現在がこれまでと比較して執筆の意欲がもっとも高まっている時期であることをうかがわせます。<br />　1997年の『大衆の恐怖――マルクス以前と以後の政治と哲学』（Crainte des masses. Politique et philosophie avant et après Marx, Galilée, 1997）は、大衆という問題系を通じたマルクスとスピノザの接合というバリバールの哲学の基本的なモチーフがもっとも明瞭に出た400頁超の大著であったことから、質量いずれの点においてもこれを主著と見なすことができますが、上記の三冊の著作群はその後のバリバールの展開を考えるうえで、重要な手掛かりとなります。私の研究でこれらの著作群で出てくる新たな論点をすべて取り上げることは困難ですが、盛り込める範囲で論じたいと考えています。以下では新著『市民主体』の内容を研究と関係する限りで略述したいと思います。</p>
<p align="left">　1989年に雑誌『カイエ・コンフロンタシヨン』で展開された、ジャン・リュック・ナンシーの「主体の後に誰が来るのか」という問いかけに対する十数名の思想家たちの応答で、バリバールは、それは「市民主体」であると応じました。新著『市民主体』はこの概念を再度取り上げ直し、これを重層的に論じた著作という性格を持っています。<br />　その処女作となったルイ・アルチュセールらとの共著『資本論を読む』（1965）以来、バリバールはマルクスからもっとも強い影響を受けてきましたが、『平由の定理』の巻頭に再録された論文「平由の定理」（1989年初出）以降、「法権利」の問題にもこれまで以上に着目するようになりました。この論文が執筆された1989年はちょうどフランス革命200周年にあたり、その精神を集約するとされる「人権宣言（人間と市民の権利の宣言）」によって定礎された近代的市民権をめぐる議論が、クロード・ルフォール、マルセル・ゴーシェらを中心に高まりました。しかしマルクス主義の文脈においては、法的な次元での自由と平等を約束する近代的市民権は、労働者と資本家への社会の分岐を促す資本主義生産関係によってその根底を掘り崩される結果、あくまで形式的、ひいては「ブルジョワ的」にとどまるとされていました。事実、1844年のマルクスの二論文「ユダヤ人問題によせて」と「ヘーゲル法哲学批判序説」では、近代的な市民権を保証する「政治国家」は、真の人間的な解放の過程においては乗り越えの対象にすぎないという立場が鮮明に示されています。また、実際の歴史に引きつけて言えば、マルクス主義の古典的な「二段階革命論」においては、ロシア革命は、近代的市民権を基礎づけた「ブルジョワ革命」としてのフランス革命の限界と矛盾を止揚する「プロレタリア革命」として、位置づけられていました。<br />　マルクス主義の文脈において相対的に軽視されてきたこの「法権利」の問題をあらためて論じ直すというのが、新著『市民主体』の主眼です（この点に関しては、前回のレポートで言及したミゲル・アバンスールや、パリ第8大学でお世話になったダニエル・ベンサイード教授と共通するところも多く、比較・対照作業は今後のさらなる課題です）。人間という普遍性に依拠しながらも、その次元から離れて市民を立ち上げ、その市民の間で定礎され相互の権利と義務を定める近代的市民権の次元を考えるにあたって、バリバールは多くの哲学者たちに立ち戻りつつ考察を進めてゆきます。たとえば、主体の自己言明・自己定立に関してはデカルト、ロック、ルソーらが検討され、共同体的な複数の主体の構築としてはヘーゲル、マルクスらが考察の対象として挙がっています。これらが検討されることで、近代的な市民主体の立ち上げをめぐる様々な理論的バリエーションがあることが確認されます。「哲学」と「人類学」を組み合わせた、一見すると奇異に映る書名「哲学的人類学」には、市民主体の問題を扱う哲学の中に持ちこまれたこのバリエーションを取り上げるという意図が込められているように思われます。</p>
<p align="left">　現在も『市民主体』を『暴力と開明性』、『平由の定理』などを随時参照しながら読み進めています。現状ではまだ『市民主体』の全体像の素描をようやく理解し始めたにすぎませんが、今後さらなる読解を進め、研究内容の一部として組み込めるように努力したいと思います。<br /><br /></p><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="Ota10.JPG" src="http://ofias.jp/j/itp_eu/Ota10.JPG" width="234" height="175" /> 
<p align="center">（左から順に『暴力と開明性』、『平由の定理』、『市民主体』）</p>
<p>&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201110_2.html</link>
            <guid>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201110_2.html</guid>
            
                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Wed, 07 Dec 2011 15:17:04 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年10月　月次レポート（横田さやか　イタリア）</title>
            <description><![CDATA[<p>月次レポート　2011年10月　<br />博士後期課程　横田さやか　<br />派遣先：イタリア、ボローニャ大学</p>
<p>　残暑が長く続いたボローニャでは、10月の中旬にさしかかってようやく気温が下がり、今年は秋を通り越して突然冬が訪れたかのようである。急な気温の変化に備え体調管理に気を配りながら、今月もまた充実した研究生活を送ることができた。<br />　まず、2010-2011年度を締め括る研究成果報告会が開かれた。研究の進捗状況の報告を無事に遂行し、ボローニャ大学大学院博士後期課程、映画・音楽・演劇専攻での一年目を終了した。研究成果報告の準備段階ではボローニャ大学指導教員にあらかじめ面談をしていただき、今後の予定も含め改めてご報告しご指導を仰いだ。同時期に、イタリア各地でのシンポジウムや講演の合間にボローニャに立ち寄られた本学における指導教員にも面会することができ、二年目を開始するにあたりたいへん強く励まされた。<br />　今月から大学院のセミナーも再開された。舞台衣装、映画衣装研究の第一人者であるパオラ・ビニャーミ教授による「舞台衣装を学ぶ」というテーマのセミナーでは、報告者の研究テーマを考慮して、未来派が服飾史にもたらした改革の重要性などについても言及してくださった。かつて、このような恵まれた機会を得られるとは夢にも思わなかった頃、ビニャーミ教授の著書を頼りに舞台衣装史を学んだ報告者にとって、有益である以上に直接ご指導をいただく機会をいただけたことがたいへんありがたく、感慨深い講義であった。<br />　そして、舞踊を専門とする研究者らによる研究会「ダンスと研究」に今月も出席した。現在、本研究会では舞踊に関する出版物を対象とした広範囲にわたる文献表の作成に取り組んでおり、報告者は、日本における出版物について担当させていただくことになっている。<br />　また、ボローニャ大学指導教員よりご指示をいただき、「オープン・アクセス国際週間」と題された講演会に参加した。スペインのある調査機関によって実施された、学術文献のオープン・アクセス推進を目的とした調査によると、ボローニャ大学はイタリア国内で最もウェブ媒体を駆使した学術的パフォーマンスに優れた大学としてランキングされている(参照:The Ranking Web, <a href="http://www.webometrics.info/index.html">http://www.webometrics.info/index.html</a>)。この講演会を通して、大学の運営する学位論文投稿サイトの利用方法などテクニカルな問題の他、研究論文発表の媒体としてオンライン・ジャーナルをいかに活用していくかといった問題など、学術情報流通をめぐる現状についての知識をグローバルな視点で得ることができた。<br />&nbsp; 来月も引き続き大学院のセミナーに出席しつつ、論文執筆を進めていく予定である。<br /></p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201110_1.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Wed, 07 Dec 2011 15:14:35 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年10月　月次レポート（小久保真理江　イタリア）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP　１０月報告書</p>
<p align="right"><br />小久保真理江</p>
<p>　今月初めには、ボローニャ大学の指導教員に面会し、大学の夏期休暇中に電子メールで送った論文の原稿についてコメントをいただきました。今回見ていただいたのは、パヴェーゼの詩集『働き疲れて』の登場人物に見られるアメリカ文学・映画の影響を論じた部分で、博士論文の第三章第一節にあたります。同様のテーマについて書いた原稿を前回指導教員に見ていただいた際には厳しい批判を受けたのですが、構成を変更し大幅に書き直したところ、今回はよい評価がいただけ、大変安堵しました。書き直しの作業に予想以上の時間がかかってはしまいましたが、指導教員に批判を受けた点に注意しながら、時間をかけて執筆と推敲を重ねることにより、目指すべき論文の形をより具体的に理解することができました。また、指導教員に原稿を提出する前に、ボローニャ大学のコランジェロ先生や友人など複数の方々の添削を受けたため、論文に相応しいイタリア語の表現についても多くを学びました。<br />　面会の際には今後の執筆計画についても指導教員に相談し、一部変更を加えた新たな構成を見ていただきました。また月半ばにはイタリアに短期滞在された東京外国語大学側の指導教員にも会い、現在の状況を報告するとともに今後の計画について相談することができました。<br />　先月に博士論文の第一章第一節の執筆を終了したため、今月はそれに続く第一章第二節の執筆に取り組みました。この節では、パヴェーゼとアメリカ文学の関係についての先行研究の展開を年代順に記述します。1941年から2011年まで、時代背景とも関連付けながら各時代の代表的な研究に言及し、先行研究における傾向や重要な論点を明らかにすることを目標に執筆を進めました。この部分の執筆は来月前半に終了し、ネイティブチェックを受けた上で指導教員に提出する予定です。<br />　また今月下旬には、論文の第一章第一節の加筆修整も行いました。この部分は先月末に執筆を終了していましたが、博士課程の友人に読んでもらったところ、イタリア語の表現だけでなく、注の付け方や、加筆すべき箇所についても細かな指摘を受けたため、その助言に従って加筆修整を行った上で、新たな原稿を指導教員に提出しました。来月上旬に指導教員に面会する際にはこの原稿について意見をいただく予定です。</p>
<p>&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/201110.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Wed, 07 Dec 2011 15:08:08 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年9月　月次レポート（佐藤　貴之　ロシア）</title>
            <description><![CDATA[<p>ITP-EUROPA月次レポート（9月）</p>
<p align="right">報告者：佐藤　貴之<br />派遣先：ロシア国立人文大学</p>
<p>　9月9日、成田を出発し韓国経由でモスクワに到着。大学寮での生活を開始する。</p>
<p>　寮は大学構内にあり、基本的に外出する必要は少ないため、非常に落ち着いた環境の中、研究に集中できるといえる。また、本大学の寮はすべて二人一部屋の形をとっているが、学部生、留学生、大学院生同士で住まわせるなどの配慮を大学側がとってくれるため、生活スタイルがあわない等のトラブルもない。しかし、寮自体のキャパシティーは非常に少なく、すでにどこも満杯とのことだ。これから留学予定の学生は各自でアパートを見つけるなどしなくてはならないだろう。また、来年度、当大学に留学希望者がいれば、大学寮の手配はなるべく早めにしておくことをお勧めする。</p>
<p>　さて、現在の状況だが、入学手続きと研究の両方を同時並行で進めている。しかし現在は、ビザの切り替え（ロシアではまず短期滞在のビザを発行し、入国後に長期ビザに切り替えるシステムをとっている）があるため、パスポートを大学に提出してしまっている。返却は来月上旬と聞いているが、パスポートがないと図書館の利用が制限されるなどの不都合がある。学生証の発行にもまだ時間がかかるため、現在は身分証がない状態にある。<br />　現在主に通っているのは、モスクワ州ヒムキ市図書館通りにあるロシア国立図書館付属博士論文閲覧館である。この図書館はモスクワ市内ではなく、郊外にある点に注意しなくてはならない。市内の地下鉄で最北の「レチノイ・ヴォグザール」という駅から、344番の乗り合いバスに揺られてやっと到着という、非常にアクセスの悪い場所だ。モスクワ中心部から片道１時間は見ておく必要がある。<br />　しかし、この施設のメリットは大きい。ここでは、これまで執筆された博士論文を無料で閲覧できる。パソコンの持ち込みが許可されているので（スキャナーやカメラは不可）、論文を読みながら、重要な個所を書き写すという作業を一日中続けるのが日課となっている。ビュッフェも館内にあるため、食事のために外出する必要もなく、早朝から夕方まで作業できるのが非常にうれしい。このペースで作業が進めば、重要な博士論文のチェックは11月までにこなせると思われる。<br />　また、9月15日には訪露中の東京外国語大学指導教員の沼野教授、ロシア国立人文大学側指導教員のレクマーノフ教授、筆者の三人で研究に関する懇談会を開いていただいた。この話し合いの結果、指導方法、研究方法、テーマ、研究成果の発表など、様々な点について意見交換をすることができ、非常に有意義な会となった。両教授には改めて御礼の言葉を申し上げたい。近々、レクマーノフ教授からコロムナ教育大学の教授を紹介されることとなっている。コロムナ教育大は筆者の研究しているボリス・ピリニャーク研究の牙城としてしられるモスクワ郊外の大学である。来月はこの大学に伺い、筆者の研究を披露して意見を仰ぐとともに、定期的に開かれている「ピリニャーク研究会」への参加許可を頂戴してくることを目標としたい。<br />　現在は論文「ピリニャーク創作における日本の表象」（ロシア語）を執筆しているが、脱稿次第、研究機関誌への掲載に尽力する。</p>
<p>&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/20119_2.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Thu, 10 Nov 2011 13:37:20 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年9月　月次レポート（太田悠介　フランス）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA月次報告書（9月）</p>
<p align="right">太田　悠介</p>
<p>　大学の登録、滞在許可証の更新など年度の始まり恒例の事務手続きは、今年ですでに三度目ということもあり、スムーズに終わりました。また、現在の居住先であるパリ学生都市の更新手続きも済み、昨年度と同様にアルゼンチン館に引き続きとどまることになりました。<br />　肌寒かったそれまでとは打って変わって9月のパリは記録的な猛暑となったため、少しでも快適な環境を見つけようとアルゼンチン館の図書室、学生都市の中央図書館、フランス国立図書館など、時おり場所を変えながら研究を進めました。今月は特に、1939年生まれの哲学者ミゲル・アバンスールのテクストの読解を進めました。フランスでの知名度はそれほど高くなく、日本でも訳書の出版はありませんが、最近になって様々な場面でその名前を見かけることが多くなってきました。今年の5月には私の在籍先のパリ第8大学がアバンスール本人を招き、その名を冠したコロック「ユートピアの非現在性？――ミゲル・アバンスールへのオマージュ」が開催されています。<br />　宇野重規氏の『政治哲学へ――現代フランスとの対話』（東京大学出版会、2004）によれば、今日フランスで「政治哲学」と呼ばれる潮流には、大まかに三つの方向性が存在します。すなわち、レイモン・アロン（1905-1983）に代表されるマルクス主義批判に由来する流れ、ルイ・アルチュセール（1918-1990）によるマルクス主義の再定式化の流れ、雑誌「社会主義か野蛮か」を中心に集い、マルクス主義内部の少数派としてソビエト体制の批判的分析から出発したコルネリュウス・カストリアディス（1922-1997）、クロード・ルフォール（1924-2010）の流れであるとされています。<br />　マルクス主義が経済的審級による政治への作用を過剰に重視してきたとみなすこの第三の潮流からは、この政治と経済の関係をちょうど逆転させるような考え方が生まれてきました。なかでもルフォールは、社会の中に存在する様々な対立を政治の領域と経済の領域、あるいは公的領域と私的領域といった分節化によって処理する仕方のうちに、その社会固有の構成原理が宿っているのであって、これこそが、分節化の結果はじめて現れる「政治（la politique）」の領域とは区別されるべき「政治的なもの（le politique）」であると主張します。この「政治的なもの」への定位を起点として、その後ルフォールは「民主主義」の誕生の意味とそれに原理的に対抗する運動としての「全体主義」を中心に据えた独自の思想を展開してゆきました。<br />　アバンスールの仕事をたどってみると、彼がこの第三の流れを汲む思想家であり、とりわけルフォールの思想の継承者であることが分かります。アバンスールはまず、シモーヌ・ヴェイユ（1909-1943）、ピエール・クラストル（1934-1977）、ルフォールらによる解説を加えたエティエンヌ・ド・ラ・ボエシー（1530-1563）『自発的隷従論』（Étienne de La Boétie, Le Discours de la servitude volontaire, Payot, 1976）や、クラストルの思想をめぐる論集『野蛮な法の精神――ピエール・クラストル、または新しい政治人類学』（L'Ésprit des lois sauvage : Pierre Clastres ou une nouvelle anthropologie politique, Seuil, 1987）に編者として関わっていました。ド・ラ・ボエシーとクラストルは、社会の分裂の抹消を目指す国家に内在する「一者（l'Un）」の論理の支配とこれに抗する社会の内部に保存された対立を対照的なものとして把握し、それぞれの仕方で考察した思想家として、ルフォールに多大な影響を与えています。同様にアバンスールもまたふたりの思想を踏まえています。さらに、「全体主義」論として、ルフォールとともにエリアス・カネッティ（1905-1994）の群衆論から着想を得た『密集について――建築と全体主義体制』（De la compacité : architectures et régimes totalitaires, Sens＆Tonka, 1997）、「民主主義」論としては初期マルクスの「民主主義」概念の再興を試みるアバンスールの主著『国家に抗する民主主義――マルクスとマキャベリアン・モーメント』（La Démocratie contre l'État : Marx et le moment machiavélien, Félin, 2004）がすでに刊行されています。このように、アバンスールの思想を全般的に振り返ってみると、ルフォールの思想の発展的な展開という側面が色濃くあります。逆の観点から見れば、アバンスールを通じて、今度はルフォールの思想の意義がよりいっそう明らかになるとも言えます。<br />　上記の宇野氏による「政治哲学」の三類型にしたがうならば、これまでは第二の潮流に該当するアルチュセールおよびバリバールの思想にとりわけ着目して研究を進めてきました。しかし、アバンスール、ルフォールらは同時代の思想家として、取り扱う主題が重なり合うところも多くあるため、こうした問題の近似性を無視して研究を進めることはできなくなりつつあります。今後は両者のさらなる読解を進め、最終的に博士論文に盛り込むことができるようにしたいと考えています。</p>
<p><br />&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/20119_1.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Thu, 10 Nov 2011 13:33:32 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年9月　月次レポート（横田さやか　イタリア）</title>
            <description><![CDATA[<p>月次レポート　2011年9月　<br />博士後期課程　横田さやか　<br />派遣先：イタリア、ボローニャ大学</p>
<p>　今月の後半から改めて東京外国語大学若手研究者インターナショナル・トレーニング・プログラム(ITP-EUROPA)より派遣され、本学とボローニャ大学間の共同学位授与制度に則して博士論文執筆を遂行すべく、ボローニャでの研究生活を再開した。到着後しばらくは滞在のための書類申請や更新等の事務手続きに追われたが、昨年度の派遣開始時に比較すれば要領を得たもので気力体力を消耗させられることもなく、居心地のよいいつもの図書館、いつもの座席に再び戻り、落ち着いて研究を再開することができた。<br />　大学院の講義は来月から再開される予定であり、今月は、ボローニャ大学大学院の舞踊を専攻する研究者たちによる研究会「ダンスと研究」の集まりに出席し、研究の進捗状況を報告した。現在執筆中の論文と今後の論文執筆計画についてご報告し、ボローニャ大学での指導教員であるチェルヴェッラーティ教授、そして研究会の設立者であるカジーニ・ローパ教授から、助言と励ましの言葉をいただいた。他の研究者からは、ヴァカンス期間を利用して海外へ赴きワークショップへ参加したという報告や、研究対象となる一次資料を求め他都市へ滞在し資料調査を行ったりしたなどの報告があり、たいへん興味深く伺った。また、この研究会に参加することで報告者の研究テーマに関連のある新刊本やシンポジウムについての情報を得られることにもたいへん助けられている。<br />　来月は大学院の講義を受講しながら論文執筆を進める予定である。<br /></p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/20119.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Thu, 10 Nov 2011 13:31:16 +0900</pubDate>
        </item>
        
        <item>
            <title>2011年9月　月次レポート（小久保真理江　イタリア）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA ９月報告書</p>
<p align="right">小久保真理江</p>
<p>&nbsp; 今月１７日からITP-EUROPAの派遣により、ボローニャでの研究活動を再開しました。本プログラムによるボローニャ滞在は今年で二年目に入ります。昨年度に引き続き、ボローニャ大学のニヴァ・ロレンツィーニ先生の指導のもと共同学位の取得を目指して博士論文の執筆に取り組みます。<br />　昨年度の派遣終了後７月末に一時帰国し、夏休み中は日本で論文執筆を進めました。９月１５日東京外国語大学で開かれたITP報告会で昨年度の研究成果と今年度の計画を発表した後、１７日にボローニャに戻り、再びこちらで論文の執筆作業を続けています。ボローニャには図書館が数多くあり、いずれも徒歩で通える距離であるため、毎日朝から図書館で執筆を行っています。必要な資料がすぐに手に入るという点や、指導教員に会えるという点ではもちろんのこと、毎日イタリア語を話す生活であるという点でも、論文執筆に大変適した環境であると改めて実感しています。また、大学の図書館で研究者仲間に毎日会うことにより、学問的にも精神的にも非常によい影響を受けています。<br />　今月末には、一時帰国中から取り組んでいた論文の一部分（第一章の第一節）の執筆を終えることができました。この節は、チェーザレ・パヴェーゼとアメリカとの関係についての伝記的事実を、先行研究や様々な資料をもとに自らの視点でまとめたものです。このテーマについては既に多くの批評家が触れているので、どのように独自性や新しさを出すかということが大きな課題でした。従来の研究ではアメリカ文学の批評・翻訳活動のみが扱われがちであったのに対し、私の論文ではアメリカの映画や音楽との関係についても光を当て、これまであまり引用されてこなかった資料や2000年以降の新しい研究に積極的に言及することにより、従来の記述の繰り返しにならないよう心がけました。この原稿は現在イタリア人の研究仲間にネイティブチェックを依頼しており、校閲が終わり次第、指導教員にも読んでいただく予定です。また、この節の執筆終了後は博士論文の構成を再び見直し、時間的制約に合わせたより現実的な執筆計画となるよういくつかの変更を加えました。<br />　ボローニャの指導教員とは今月電子メールで連絡を取り合い、１０月５日に面会の約束をいただきました。面会の際には、８月中に日本から電子メールで送った原稿（博士論文の第三章第一節にあたる部分）についてコメントをいただく他、今後の執筆計画や構成の変更についても意見を仰ぐ予定です。</p>
<p><br />&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/20118_1.html</link>
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                <category domain="http://www.sixapart.com/ns/types#category">新着情報</category>
            
            
            <pubDate>Thu, 10 Nov 2011 13:26:59 +0900</pubDate>
        </item>
        
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            <title>2011年8月　月次レポート（太田悠介　フランス）</title>
            <description><![CDATA[<p align="center">ITP-EUROPA月次報告書（8月）</p>
<p align="right">太田　悠介</p>
<p align="left">　ポルトガルのポルト大学を拠点として、一週間にわたって開催された国際学会「国境、移動、創造――現在(いま)を問うこと」への参加を終え、4日にパリに戻りました。連日朝から夕方過ぎまで個人発表が続き、さらに会期中の3日間は夜間に映画と演劇のプログラムが組まれていました。発表に集中できるように他のパネルへの参加を控えた発表当日を除けば、できるかぎり会場に足を運ぶように心掛け、最終的にはほぼすべての日程をこなしました。また、プログラムの合間をぬって食事などの機会を利用して、フランス、台湾、アメリカなど様々な地域から集まった学生や教授陣と親交を深めることができたのも、今回のポルト滞在で印象に残る思い出となりました。<br /><br /><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="Ota8-1.JPG" src="http://ofias.jp/j/itp_eu/Ota8-1.JPG" width="234" height="175" /></p>
<p align="center">（プログラムと報告論文集）</p>
<p align="left">　今回のポルト滞在では、研究の内容についてのみならず、研究の提示方法という形式についても考えさせられることが多くありました。もちろん研究の内容とそれを提示する形式とを厳密に分けることは不可能です。しかしながらそれと同時に、意味を伝えるための表現の仕方を徹底的に吟味する余地は十分にあると言えます。<br />　「国境、移動、創造」という比較的幅広い枠組みの主題が設定されていたこともあり、学会には人文社会科学の分野全般から広範に参加者が集まりました。異なるディシプリンを背景に持つ者同士がつどう場では、発表者の用いる基本的な用語や概念が聴衆に必ずしも共有されているとは限りません。さらにはこれに、英語を母国語としない者同士が英語で議論するという、言語の制約も場合によっては重なります。したがって、発表者は自分の仮説を提出するコンテクスト、コンテクストにおける仮説の位置づけ、論証のための基本的な用語の概念定義などを、普段以上に明確にすることが求められます。これを怠れば議論の方向性が定まらず、説得力を持ちえません。とりわけいくつかの学生の発表ではこうした難点が散見されたように思われました。<br />　説得力のある結論に導くためには、その前提となる土台をあらかじめ了解してもらい、確かなものとしておく必要があるという点は、研究の基本的な心構えとして渡仏前から西谷修教授につとに指摘されてきたことでしたが、ポルトで他の発表者の口頭発表を聞くにつれて、その必要性をいま一度強く実感するようになりました。<br /><br /><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="Ota8-2.JPG" src="http://ofias.jp/j/itp_eu/Ota8-2.JPG" width="168" height="224" /></p>
<p align="center">（ブロッサ教授の発表。質疑応答の際の様子）</p>
<p align="left">　そうしたなかでも、いくつかの刺激的な口頭発表に立ち会うことができたのは幸運でした。日本思想史を専門として現在はコーネル大学で教鞭をとっている酒井直樹氏の翻訳と境界線をめぐる発表や、パリ第8大学の指導教授アラン・ブロッサ教授のかつての教え子で、現在はリセで哲学を教えているフィリップ・コーミエール氏による、コルネリュウス・カストリアディス（1922-1997）の思想に依拠して政治体と国境の関係の問い直しを試みた発表などです。今振り返ってみれば、いずれの発表も最終的には専門的な議論に踏み込みながらも、その前提となる作業として、基礎的な理解の積み上げを細心の注意を払って行っていたように思われます。<br />　私も口頭発表の際にはこの点を特に意識して臨み、ある程度の手ごたえを得ることができました。しかし、酒井氏やコーミエール氏の口頭発表と比較すれば、依然として改善の余地は多いにあります。ポルト滞在では研究発表のいわば範例に該当するような口頭発表に触れることができたわけで、この経験を今後の口頭発表や論文執筆の機会に生かしていければと考えています。<br /><br /><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 20px; DISPLAY: block" class="mt-image-center" alt="Ota8-3.JPG" src="http://ofias.jp/j/itp_eu/Ota8-3.JPG" width="234" height="175" /></p>
<p align="center">（4日目と5日目にシンポジウムの会場となったポルト現代美術館の内部）</p>
<p>　ポルトでの発表原稿に目を通したブロッサ教授から、パリに帰国後あらためて文書で詳細なコメントをいただきました。まもなく大学の新年度が始まります。ポルトでの発表から得た成果と課題を今後博士論文の執筆に反映できるように努力を重ねたいと思います。</p>
<p><br />&nbsp;</p>]]></description>
            <link>http://ofias.jp/j/itp_eu/events/20118.html</link>
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            <pubDate>Tue, 27 Sep 2011 11:23:38 +0900</pubDate>
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